プ リ ン ス

俺は、タバコの箱をクシャッと潰し、分からないように袋に入れて閉じ、ごみ箱に捨てた。




まぁこの学校の事だから、喫煙も黙認しているんだと思うけど。




そういう事も含めて、この学校を変えていかないといけないな。




俺はストンとその場に座り青空を眺めた。






――――…
――――――…




「プリンスだ……。」

「カッコイイー…。」

「あれがプリンス?」




なんだこれは。




食堂に入ってからコソコソと話し声が聞こえ、視線を感じる。




「…―…聞いてるか!?」


『あ?』




聞いてなかった。




というか桜井の存在を忘れていた。




「藍ちゃん無視しないでよー。」


『藍ちゃん言うな。』


「相変わらずつれないなぁー。」




お前も相変わらずウザいな。




『なぁ…。』


「なんだ?」


『昨日より視線を感じるんだけど……。』


「あ?あぁ……。」


桜井は口をつぐみ、俺をチラッと見た。




なんなんだ。