プ リ ン ス

東西南北の屋上は煩いチームがいるから……




中央棟―……




俺は渡り廊下で中央棟へ行き、階段を上った。




扉を開けると、昨日行った屋上とはまた違った景色が広がっていた。




風が髪をなびかせ、頬を撫でる。




俺は前髪をかき上げながらフェンスを指でつかみ、空を見上げた。




青く広がる空にゆっくり動く雲。




眩しい太陽が雲で隠れて、ちょうどいい明るさ。






フと何かが鼻孔を掠めた。




タバコ……。




匂いを辿ってみると、反対側に座りながらタバコを吸っている男が。




赤のネクタイをしている。




その男は紅髪に茶色の瞳をしていて、目つきは鋭く矢を射るような瞳をしている。




俺はその男に近付いていった。