プ リ ン ス

「噂によると、満月の日にしか現れないらしい。」




なんだその噂わ。




たまたま昨日が満月だっただけだと思うんだけど。




でも……




その噂に乗ってやってもいいかもね。




満月に現れる紅い狼




楽しそう。






「でも、トップがだまってないだろうね。」




それはまた面倒な。




「特に紅龍の奴らは喧嘩っ早いし、英雄みたいな紅月狼は邪魔な存在でしかないと思ってるだろうし。」




ふーん。




つまりこの辺りをしめてるのは俺達だって自称してるわけだ。




「今度、満月の日に様子みてこよ〜っと。」




満月の日ね……。




次はいつかな……。




俺は本をパタンをとじ、席を立った。




「どこ行くんだ〜?」


『どっか。』


「ちぇ。つれねぇ〜の〜。」


いじいじしている桜井を放置し、教室を後にした。




今日はどこ行こう…。