海吏という男は、青ネクタイ集団を引き攣れ、俺達から去っていった。




「藍ッ!!」


『なに。』


「お前よくあのオーラ見て普通にしてたな。」


『あぁ……。』




桜井が言ってるのは、海吏という男が纏っているオーラの事だろう。
人の上に立つに相応しいオーラをしている。




「俺なんて初めて見た時チビりそうになったしッ」




俺紅茶飲んでんだけど。




チビるとか言うな。




「海吏さんが直々に勧誘してくるなんて滅多にないんだぜ!!」


『なんで?』


「リーダー、副リーダーを見て、男は憧れで、女はただタイプとか媚び売る為に入る奴が多いからな。」


『ふーん。』




つまりは俺を勧誘したってことは物好きな変人か。




「本当に入んないのか?」


『入んない。』


俺は飲み終わった紅茶の紙パックをくしゃっと潰し、ごみ箱に投げ捨てた。




俺は席を立ち、桜井に背を向けた。




『俺がこの学校を変える……。』


振り向き際に桜井に伝え、食堂を後にした。