プ リ ン ス

「箱!?お前、自販機知らないのか!?」




自販機なんて知らないよ……。




聖女に自販機なんて無かったし……。




「じゃあ、もしかして使い方も知らないのか!?」


『悪いかよ。』


羽藍は馬鹿にされたと思ったようで、ブスッとふて腐れた。




「ついてきてよ。」


桜井に言われ自販機の所へ行った。




箱の中には色んな形をした飲み物が入っていた。




『どうやって買うんだ?』


「やっぱ知らねぇーのか……ここに小銭を入れるんだよ。」




小銭……。




『カードは使えないのか?』


俺はサイフの中にあるブラックカードを取り出した。




「うわッ!!何コレ!?本物!?」


ブラックカードを見て、騒ぎ立てる桜井。




なんでそんな驚くんだ?




ブラックカードくらいみんな持ってるだろ?




「カードなんて使えるわけねぇーよ!!ってか危ねぇーからしまえって!!」


『??』


俺は頭に?を浮かべてブラックカードを財布にしまった。