プ リ ン ス

それに香水臭い。
どんだけ付けてるの?




胸元開けすぎ。
見えるよ?
見せてるのか。




『なに。』


俺は眉間に皺を寄せて返事をした。




「今夜ぁ〜亜里沙の相手して?」


俺の腕に絡み付く女は小さな目を一生懸命に上目遣いし、胸を俺の腕にわざとくっつけてきた。




気持ち悪い。




『ごめんね。俺彼女いるから。』


女に微笑みながら、やんわりと腕から手を離した。




「え〜、遊びで良いからぁ〜」


それでも引っ付いてくる女。




ヘビ並だ。




いやタコ並?




とにかくしつこい。




『俺、彼女一筋だから。
ごめんな。』


俺は嘘を並べながら断った。




「じゃあ……




彼女連れて来てよ。」




は……?