プ リ ン ス

フとそいつと目が合った。




射るような探るような視線を向けてくる。




なんでそんな瞳を俺に向けてくるのか分からない。




謎めいた男だ。




俺は男から視線を外し、愛読している洋書を取り出して読みはじめた。






数分後




視線を感じる。




今始まったことでは無いけど……




『桜井…。』


「ん?」


『近い。』


「あ、ごめん。」




桜井は俺から少し離れたが、今だに俺を見つめている。




『なに。』


「いやーお前ってマジで綺麗な顔してんなーと思って。」


『は?』


「男なのに惚れちゃいそうだぜ☆」


『……。』




俺は無言で桜井から距離をとった。




「え?なんで!?離れないでよ藍ーッ」




ウザイ……。




バカ丸出しだし、なんなんだコイツ。