プ リ ン ス

「なぁなぁ、俺桜井恭(サクライ キョウ)。恭って呼んでくれ!!」


『……桜井。』


「恭だって!!」


『……。』




俺は基本親しい人にしか名前で呼ばない。




どうせ半年しかいないんだし、覚える必要もないしね。




「まぁ、慣れるまで桜井で良いけどよー。」


ちょっとふて腐れながら俺の方をチラッと見てきた。




『フッ……桜井は可愛いな。』


「えっ…//」




俺が微笑んだら、桜井は顔を真っ赤にし、口を金魚のようにパクパクした。




『?』


「いやっ…あのっ…///」


『大丈夫か?』




なんか心配になってきた。




男が男に対して顔を赤くする事なんて……アッチ系じゃなかったら…何?




『熱?』


「違う違う違うッ」


桜井は手を大きく横に振った。




なんか挙動不審で可笑しいんだけど…。




「それより、お前どこのチームに入るか決めてるか?」


『決めてない。』




この学校には4つの派閥があって、トップ4人が学園をしきっている。