プ リ ン ス

俺は教卓の隣に並んだ。




「自己紹介しろ。」


『宮内藍。』


「それだけか?」


『……。』


「まぁいい。お前の席は窓側の一番後ろだ。」




荒谷は窓側の一番後ろの席を指差した。




私は指差された方向へ歩いた。




周りから好奇の視線が刺さる。




シュッ


パシッ




急に横からパンチされ、即座に片手で止めた。




「てめぇー…。」




俺はパンチをされた方を向いた。




頭が軽そうな見た目だけ不良って感じ。




ネクタイの色は赤。




「調子に乗ってんじゃねぇーぞ……。」




男は俺を睨んできたが、そんな睨みなんて俺にとったら虫に睨まれたようなもの。




俺はフッと鼻で笑い、男の手を捻りあげた。




「―ッ!!」


男は即座に俺から手を離した。




痛がっている男を無視し、自分の席に着いた。