プ リ ン ス

「君のクラスは2-Fだ。何か質問はあるかい?」


『いえ。』


「それじゃあ担任を呼ぶからちょっと待っててね。」


貴劉は無線を使い、どこかに電話をした。




「すぐ来ると思うから。」




数分後




―コンコン




「荒谷です。」


「入りたまえ。」




―ガチャ




「失礼します。」


理事長室に一人の男性が入ってきた。




黒髪は無造作にセットされ、額には大きな傷痕。
耳にはピアスの穴がいくつもある。ピアスは一つずつしか付けてないけど。
目元は鋭く、ヤのつく職業じゃないかと疑う。




唯一先生らしいのは、黒髪とスーツをキチンと着てること。




「荒谷先生、2-Fに転校生です。」


「はい。」


荒谷という男は俺をチラッと見た。




「俺は荒谷智(コウヤ サトシ)だ。お前、名前は?」




この男は下を智というらしい。




あんま興味無いけど。




『宮内藍です。』


「そうか…ついてこい。」


荒谷は羽藍に言うと、後ろを向いて扉を開けた。