佐原先輩の1件から数日たったが、毎日のように佐原先輩が俺を訪ねてくる。




この前銃弾を掠った腕の傷は、もう大分よくなったが……。




―ガラッ




「らーんーくーん♪」


「「「「キャーーーーッ!!」」」」


『……。』


ほら…また来た。




女の子の嬌声が教室に鳴り響く。




「麻央く〜ん、このチュッパチャップスあげるーっ」


「ほんとぉ?」


「私もこのお菓子あげるぅ〜」


「わぁーいっ」




女の子に囲まれながら、お菓子をもらう佐原先輩は、終始ニコニコ顔。




「藍く〜ん♪こんなにもらっちゃった☆えへへ♪」




みんなが見てるからか声のトーンを下げずに、明るい声で接してくる佐原先輩。




『……。』


「藍く〜ん♪」




前席の恭は、麻央と羽藍を交互に見て様子を伺っていた。




俺はチラッとお菓子の山を見てから、本を取りだし読んでるフリをする。