プ リ ン ス














『佐原先輩……。』


「んー?」


『なんですか…この量……。』




俺の両腕には大きなショップバックが沢山かかっている。




だけど、驚いたのは佐原先輩の方が荷物を沢山もっているということ。




両腕にショップバック、その手の上には大きな箱が山積みされている。




小さな体のどこにそんな力があるんだろう。




「もうちょっとだから〜」


佐原先輩は呼吸を乱すことなく余裕の表情で道を歩いた。




しばらく歩いてると、黒い車が見えてきた。




メルセデスだ。




「あれが僕んちの車ー」




車のドアの前にいるのは運転手だろうか。




にしても恐持ての顔立ちをしている。




身長190cmくらいの長身に鍛えられた肉体、左目に裂いたような傷痕がある。