スパイ・ハイスクール





奏が双子に原啓子についてを説明しているのを見ながら、俺はちらりと横に居る棗を見た。


「棗。チビな上に顏が変だよ」

「徳佐。お前、礼儀ってもんをしらないのかなぁ?」


ばっちん。

思いっきり右頬を平手打ちされた。

いや、礼儀もクソも無いって。てか思ったことを口に出しただけだし。


「本当だって。眉間に皺寄せちゃってさ、眉毛八の字だし、口もとんがってて、超変「次は鳩尾(みぞおち)でもいいよ?」


俺の目を真っ直ぐに見つめて、堂々と恐ろしいことを言ってくる棗。俺は一応黙っておいた。右頬と鳩尾に鈍痛を抱えながら過ごすのは御免だからね。

どうやら、原啓子が依頼人ということに大分イライラしているらしい。