スパイ・ハイスクール


張り紙にも書いてあるとおり、黒猫は利益や殺人目的な依頼は引き受けないことにしている。

テレビで見るようなかっこいい黒いスーツ・黒いサングラスで拳銃を持ち歩く......なんてこともしない。

それに、持っているのは拳銃ではなくて、超能力。


「原啓子の依頼の中には、利益の為とか殺人を臭わすものは無かった。だから断る理由は何もないんだ。さあ、困っている人の為、頑張ろう!」


奏はニコニコと楽しそうだ。


“人を困らせるのが好きな奏がそんなこと言っても、説得力がない”


棗と徳佐は同時にそう思ったのは、言うまでもない。