あたしはその日も何事もなく仕事を終え、家に帰った。




車を走らせ、一軒家の我が家に着く。




あたしは車にロックを掛けると鍵を開けて家に入る。




「おかえり、水樹。お疲れさん」




中に入ると、潤が出迎えてくれた。




あたしはなんだか潤の顔が見れなくて、俯いてしまう。




「う、うん!ただいまっ!」




あたしはサッと潤の横をすり抜けると、リビングに向かった。




「あっ!ママ〜おかえりぃ〜♪♪」



雅樹がパタパタと走ってきた。




佐希達は寝てるみたい。




あたしは雅樹を優しく抱き止め、抱っこする。




「ただいま、雅樹♪」




我が子ってホント可愛いな…。




あたしがお腹を痛めて産んだ子だもん。




可愛くて当たり前だよね。




「水樹、着替えシャワー浴びてこいよ。俺が夕飯の支度するからさ」




潤はあたしの肩を優しく抱いた。



「あ、うん。あり…がと……」




あたしは雅樹を降ろすと、髪を耳に掛けながらその場を去った。




どうしよう…。
変に意識しちゃうよ…。




あたし、潤と普通に出来てない…。




これじゃあ宮下に取られちゃうよ…。




あたしは急いで寝室に入り、震える自分の体を両手で抱き締めた。