「ちょっと、オッサン。何してんの?」
「なっ、なんだ!君は!!」
あたしは彼女のお尻をまさぐっていた男の手を掴み上げた。
コイツ……痴漢かよ。
「痴漢は立派な犯罪なんだよ。分かる?」
あたしがそう言うと、回りがザワザワと騒ぎ始める。
「う、うるさい!俺は触ってなんか……」
男は慌てて否定する。
あたしはその態度にキレた。
「あぁ?“触ってなんかいない”なんて言うつもりかよ。ふざけんな、この野郎が!!」
あたしは男の胸ぐらを締め上げた。
こういう輩がいるから、痴漢がなくならないんだよ。
そんなことをしているうちに、駅に停車した。
「ほら、降りな。あなたも一緒に来てもらえる?」
あたしは痴漢にあった女子高生に声を掛ける。
「は、はいっ…」
彼女はガタガタと震えながら、あたしの後ろをついてくる。
怖かったよね、こんな目に遭って……。
あたしは犯人を駅長室に連れていき、警察だと名乗った。
犯人の引き渡しを終えると、女子高生があたしに話し掛けてきた。
「ありがとうございました。本当に助かりました」
「ううん、いいの。これからは気を付けて」
あたしはそれだけ言い、電車に乗る。
まさか痴漢現場に居合わせるなんてなー…。
あたしはぼんやりとそう思った。

