「じゃあ、行くわよ?」
「……うん」
あたしはインターホンを鳴らした。
――ピンポーン…
しばらくして、パタパタとスリッパの足音が聞こえてきた。
「はーい。」
ガチャッと玄関扉が開き、お母さんが顔を出した。
「ただいま、お母さん。久しぶり」
「朱里、久しぶりね!待ってたわ。あら…彼が?」
お母さんはすぐに健太に視線を移した。
すると健太は優しい笑みを浮かべ、深々とお辞儀をした。
「初めまして。朱里さんとお付き合いさせて頂いている、佐々倉健太と申します」
「あなたが健太さんね!朱里から聞いてるわ。とってもカッコいい方ね。さ、どうぞどうぞ」
「はい。お邪魔します」
お母さんは、あたし達二人を中へと促す。
あたしはキョロ…と辺りを見渡した。
「お母さん……お父さんは?」

