――ガチャ 「どーぞ!」 「お邪魔します」 健太に促され、あたしは部屋に入る。 フワリと香る、健太の匂い。 あぁ…そう。この香り。 この爽やかなシトラスの香りが、凄く落ち着くのよね……。 「あーかりっ。早く入んなよ!」 ポン!と健太に背中を押され、あたしはリビングに入った。 相変わらず……無駄に広い部屋。 一人暮らしでこんなに良い部屋、もったいないくらいだわ。 「朱里、なんか飲むー?」 「あ。あたしも手伝うわ」 あたしは彼の背中を追い、キッチンに入る。