樹里は険しい顔のまま黙る。
桐島ちゃんは鋭い瞳を、樹里に向けた。
「あのな。現場は戦場なんだよ。下手をすれば怪我をするし、平気で撃ち殺されたりもする。」
「……はい」
「だからこそ…この部隊には不適合な人材はいらない。居られても迷惑なだけだ」
き…桐島ちゃん……。
キッパリとした言葉に、樹里はけっこう堪えてるみたい。
“不適合な人材はいらない”
でも…確かにそうかもしれない。
一歩間違えれば、死が待っている世界。
それがSATだ。
「……でもあたし…どうしてもSATに入りたいんです。」
「だったら鍛え直して来るまでだな」
桐島ちゃんはそれだけ言うと、ビールを一口飲んだ。
美姫は“当然だろう”というような顔をしている。
あたしも…桐島ちゃんと同じ意見だから。
SATに入るということは…自らを犠牲にすることになる。
治安や仲間、人質を命懸けで守る。
……そんな仕事だから。

