玲斗に認めてもらえて、
すごく嬉しい。


その思いはたしかにあった。



だけど同時に、こんなに
切ないのは……

これはきっと女優としての
あたしじゃなく、ただの
“柏木陽菜”としての心が
うずいてるから。




――優しくされればされる
ほど、切ない。



一人の女の子としての
あたしを玲斗がどう思って
るのかがわからないから、
いつもそんな気持ちになる。




携帯をテーブルに戻して、
あたしはまたひとつ、
ため息をこぼした。





     ☆☆☆☆☆



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