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「―――よし、それじゃ
シーン39いってみよう!

陽菜ちゃん玲斗君、
スタンバイよろしく!」



細野さんの号令で、
あたしと玲斗が素早く
定位置につく。



このシーンは妨害されて
会えなくなった二人が、
それぞれの想いを独白する場面。



あたしは閉じ込められた
塔の中で必死で彼への
想いを叫び、脱出しようと
試みるんだ。



「―――はい、キュー!」



声がかかると不思議と
パッと意識が切り替わる。


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