「はあ?」


朝1番のウチのリビングでのあたしの第一声。


「だから、今日からフリでいいから美優と隼人くんが恋人になってくれないかなって」


あのとんでもない話はすでに終わったと思っていたあたし。


あれから2週間も経っていた。


すっかりなくなっていると思うでしょ。


普通………。


それに、あたし何も承諾してないし。


「どうして、そんなことになるのよ。小説の話なら、あたし、あの時点で断ったでしょ!」


プンプンと怒りながらあたしはお弁当におかずを詰めていく。


「それは、あの時はあの時でしょ? あの時は正式に書くかどうかは決まってなかったじゃない。でも! 決まっちゃったのよ! 幼なじみの恋愛モノ」


お母さんはフォークを片手に力説してくる。


はじめは椅子に座っていたものがいつの間にやらあたしの真横で言っているのだから邪魔で仕方がない。


「知らないし、そんなの。お母さんたちが勝手に言ってた話じゃない。あたしには関係ないんだから」


彩で入れるプチトマトを最後に入れてあたしはキッチンの片付けに入る。


「知らないしってわけにはいかないでしょ! あんた、お母さんがこのまま小説が書けなくなったり、つまらなくなったりしたら、稼ぎが減るってことなのよ。ただでさえ、まだローンが残っているこの家。3年前にはリフォームもしたじゃない。全然、返しきれてないでしょ!」


洗物をするために水を流していたあたしは、手を止める。


確かに………。


それは一理ある。


無駄に大きく建てた家。


そして、勝手にお母さんが仕事部屋を大きくするためにリフォームをしたためにローンが上乗せになった。


今、お母さんの稼ぎが減るのはすごくつらい。


実質お父さんの稼ぎで貯金と生活費をまかなってる。


そして、家のローンはお母さんの稼ぎで払っているのが実情。


もし、今、ローン分をお父さんの給料から引かれるなんてことになったら………。


あたしの進学がもしかしたら………なくなる…なんてことになるかも………。