「……お母さん………? これは…なに?」


あたしは1つのファッション雑誌を手に持ちながらプルプルと手を震わせていた。


「なにって、読めばわかるでしょ? 美優と隼人くんの恋愛白書!」


ウインクなんてしながら、にっこりと微笑んでくるお母さんにあたしはクラクラしそうだった。


「確かに、あたしと隼人をモデルにした話を書いてもいいって言ったけど、それはあたしたちをモデルにするだけということだったじゃない。それがどうして、こうもせきららと綴られたストーリーになるわけ?」


そう…。


今、あたしが持っているファッション雑誌は10代から20代を対象にした雑誌なんだけど、そこに少し前からお母さんが連載を始めたわけ。


最初やこの前の回は幼なじみの2人の関係とかだったから、それほど気がつかなかったんだけど、今回のストーリーはまさにあたしと隼人に起こった出来事そのままのこと。


これって、参考じゃなくそのまま使ってる。


「だって~…、この雑誌って高校生もよく買っているらしくて、美優たちのストーリーがすごくいいと思ったんだもん。結構、評判いいのよ」


うふふ…と笑うお母さんにクラクラしそうだった。


全然反省してないよ、この人。


「まあまあ、美優もいいじゃない。どうせ、名前は俺たちじゃないんだから、誰も気づかないよ」


怒るあたしを宥める隼人にあたしはキッと睨みつける。