物音をたてないよう、急いで起こしていた身体を布団へと戻す。 「いってー…って、ん?」 あ、やばい、やっぱしばれました…? 「なんだ、まだ寝てんのか…。」 優しい声で小さく呟きながら、先生は頭を優しく撫でる。 その温もりが髪の毛を通り越して肌へと伝わってくる。 あぁ、いつぶりなのだろう。 こんなふうに人に頭を撫でてもらったのは。 「…………っっ」 どうしてかな、何だか解らないけど、急に悲しみが私の胸を埋め尽くしてくる。 「え、伊緒?」