「ん……。」





少しずつ、でも着実に夢の世界へと近づいていく。





もう、今見ている光景は現実のものか夢のものか解らなくなってきている。






先生、一体どこに行ってしまったんだろう…。






もうかれこれ30分は経っているんじゃないか?





済ませる用があるにしても、いくらなんでもほったらかしにし過ぎじゃ…。






あっ!!!





もしかして、用事済ませてから、進藤先生とご飯でも食べに行ったんじゃ…!!!?






時間はお昼を過ぎているし、さっきまで私のことを見てくれていたなら先生はお昼を食べていない。





となると、食べに行っても不思議では無い訳で……。






「う――……あのエロバカ教師め――…早く帰ってきてよぉ……。」






正直言えば、私だってめちゃくちゃお腹すいてるんだからね!!






先生達だけお昼なんてずるいっ!!







ガサガサッ





「!!!!!?」






え……何か、今、物音がした気が……。






「おい、」






「ぎゃっ!!!!!」






いきなりの物音と低い声に、閉じていた目を急いであける。






すると、そこには不機嫌な顔をした先生がこちらを見ていた。






これは、間違いなく怒っていらっしゃるな。






「あ――……先生、おかえりなさいっ。」






不機嫌な顔をした先生に、自分ができる限界の笑顔と可愛さを振りまいてみた。