大悪魔から、傷を癒された時、代わりに僕の中にあった、微かな人間の心が消えたのだろうか。

今はもう、アリスの未来を案じたりはしない。

人間として、一生を終えた方が良いなんて、馬鹿げた考えは無い。


あるのは、欲望だけ。

アリスを、僕の物にしたいという思いだけだ。


きっとアリスは、悪魔に向いている。

いや、向いていなかったとしても、あの美しい顔が、年月と共に崩れてしまうなんて勿体ないじゃないか。


そう。
アリスを悪魔にするのは、アリスの為でもあるんだ。