「そうなんですか?!すいません。迷惑をかけてしまって。確かに、最近自主練し過ぎていました」


記憶のない古池は陽一の嘘に疑問を抱かず、陽一に迷惑をかけてしまったと思い謝る。


「気にするな。今日は帰って、ゆっくり休め」


「はい!失礼します!」


古池は陽一に深く礼をして、走って帰った。


『リョウ、ルナ。お疲れ様』

『にゃあ!』

『ワン!』

メリーは二匹の頭を優しく撫で、二匹はポケットの中に入る。


「何がどうなってるんだ?」


陽一は、イマイチ状況が飲み込めず、メリーに質問をした。


『ルナは、彼が“悪霊を見た記憶”を食べたの。だから、彼が目を覚ました時、何が起きたのか覚えていなかったの』


メリーの言葉を聞き、陽一は納得した。


「そっか…。よかった。これで一安心だ」


緊張状態から解放され、全て解決したので、陽一は腕を伸ばす。


『…よくないわ』


「え?」


メリーの呟きを聞き、陽一は固まる。


『ハッキリ言っておくわ。今回彼が巻き込まれたのは、私の忠告を聞かなかった貴方のせいよ』


メリーは、陽一に指を指しながら言う。


メリーの言葉を聞き、陽一は罰が悪そうに下にうつむく。


メリーの言っていることが正しいので、否定が出来ない。


「分かってる!だから、俺なりに責任をとって悪霊を『貴方は分かってないわ』


メリーは低い声で、陽一の言葉を遮る。