「たく。お前のその“負けず嫌い”には敵わないな」

慶太の言う通り、陽一はかなりの負けず嫌い。やられたら10倍返しをする。そのお陰で今までの試合は一度も負けることなく勝ち取ったが、その反面悪い性格でもある。

「本当、お前は筋金入りの剣道バカだな」
「うるせぇ。不真面目が。ほら、試合するぞ。準備しろ」
「ヘイヘイ。ワカリマシタ。」
「…準備しろ」
「~分かった!分かったから、睨むな!」

慶太がやる気のない返事をした為、陽一は容赦なく睨み付ける。

「んじゃ、さっきの借り返させてもらうからな」

慶太は面と防具を着け、竹刀を陽一に向け、宣戦布告をした。

「臨むところだ。来いよ」

陽一は、自信に溢れた表情で慶太を挑発する。後輩に審判をしてもらい、2人は構えた。

「はじめー!」

ダン-----!!