下に降りていくと、陽一の父親が朝ごはんを食べていた。

「おはよう。今日は、朝練ないのか?」
「ない。休み」

陽一の父親とたわいのない会話をした。

「…ごちそうさま」

父親は、席を立ち洗面所に向かった。陽一は、朝ごはんを食べてお代わりをしていた。

「行ってくる」

母親は、父親が玄関に行くのを見て、慌てて玄関に向かった。

「行ってらっしゃい」

父親は、先に家を出た。陽一は朝ご飯を食べ終わり、洗面所で身支度をし歯磨きをしていた。

そう言えば、何か忘れているような……。

歯磨きをしながら、悩む陽一。

……まぁ、いっか。いつか思い出すだろ。

陽一は考えるのをやめて、かばんと竹刀袋を背負い玄関に向かった。

「気をつけて行ってらっしゃい」
「…行ってきます」

これが、織原家の“いつもの平凡な日常”

陽一は、その平凡が壊されていたのを気づかないまま、学校に向かった。