「…確かに近いな－♪～♪～」
そんな陽一は、冷静に受け答えをするが、突然の着信に言葉が途切れる。
「…なぁ、さっきよりも電話かかってくるの早くないか？」
「早いな。とりあえず出るぞ」
陽一は、迷いもなく電話にでた。
『ｻﾞァ…もしもし？今ね、○○市の▲▲の２丁目にいるの…ﾌﾟｰﾌﾟー』
「「…………」」
メリーさんの一言に、２人は黙ってしまう。そこに流れる空気は、重い沈黙。
「…なぁ、認めたくないが一つ気が付いた事がある」
先に、沈黙を破ったのは陽一だった。
「な、なんだよ…」
静かに話す陽一に不気味さを感じて、慶太は怯えながら答える。
「最初に電話した時、メリーさんは“公衆電話に居る”って言ったよな？」
怯えている慶太に対し、陽一は真剣な顔をしていた。
「い、言ってた…」
「…○商店街から○バス停まで、２時間かかる。自転車でも１時間。車なら４０分かかる。それなのに、１０分後に電話をかけてきた。“普通の人間”なら有り得ない…」
その事実を見つけてしまった陽一は、平然をよそっているつもりでいるが、動揺を隠しきれず目が泳ぎ始める。
「……っ！じゃあ、どうやってこっちに来てるんだッ？！やっぱり、メリーさんは居るんだッ！」
あの陽一が動揺を起こす光景を目の当たりした慶太は、冷や汗をかきながら大声で叫ぶ。
