「またお前…遠いじゃねえか」 「すいません…」 いつもの通学路を、 礼くんと2人で歩く。 1人の時も、視線はよく感じるけど 今日はいつもよりも強く感じる。 それはきっと、礼くんのせい。 ちょっと悔しいけど 礼くんのルックスは、 私が入学当初から認めている程だ。 「美藤ヶ嶺ってさぁ、高級住宅街だよな?」 「あ…ぁうん…」 「お嬢様だったのかぁ」 「…え」 「うん?」 「いや…何でもない」 礼くんがサラッと お嬢様かぁ、って言ったことが 何だか嬉しかった。