君の左のポケットで~Now&Forever~


運ばれてきたパスタやサラダはすごく美味しそうで、わたしのお腹は、またぎゅうぎゅうと鳴った。



レンはもう食べ始めている。


わたしはじっとレンを見つめた。


パスタはくるくると、上手にレンの持つフォークに絡まっていく。


わたしは、フォークを握りしめたまま動けなかった。



「どした? 食べないの?」



くるくると巻き取られるレンのパスタを凝視したまま固まっていたわたしに気づいて、レンの動きが止まる。



「ううん、お腹へった、すごく」


「うまいよ、このパスタ」


「うん」



意を決して、わたしはパスタにフォークを突き立てた。


レンの真似をしてくるくると動かしてみる。


お箸にはだいぶ慣れたけど、フォークを使うのは初めての体験。



フォークに巻き取られていくパスタを確認して、そっと持ち上げると、


上手く絡まりすぎた大量のパスタが、お団子みたいについてきた。