「うう…恥ずかしいんだけど」 「もうすぐだから、ガマンしろって」 わたしとレンがお買い物にきたのは、他でもない、わたしの洋服を買うためだ。 いつまでもレンの服を着ているわけにはいかないし、 着ていたとしたって、外出なんて出来そうになかったから。 かといって、レンがひとりで女性モノの服を買うのも「恥ずかしいからヤダ」とレンが断固として譲らなかったので、 こうしてふたりで駅前までやってきたというわけ。 わたしは、ポケットから出て、初めて自分の足で外を歩くことになったってわけだ。