「ふふ」



きょとんとしたまま、訳がわからず返事をする、そんなレンの姿が可愛くて可笑しくて、わたしは思わず笑ってしまった。


そんなわたしを、レンはやっぱりきょとんとして見ている。



「あはは。すごい。信じられない」


「あ…の…?」


「レン」


「はい…?」


「レン」


「あの…君は、一体…」


「わからない」


「は?」


「わからないけど、こうなっちゃった」


「え?」


「わーい! 嬉しい!」


「あの…よく…わかんないんだけど…」



わたしは、ヒトになった。


願いが叶ったんだ。


神様なのかな。そうなのかな。


わからない。


けれど、その時のわたしは誰が叶えてくれたのかなんてどうでもよかった。


ただ、嬉しかったんだ。





レンとわたしの生活は、こうして始まった。