君の左のポケットで~Now&Forever~



……それで、今のこの状況。



レンはわたわたしながらも、クローゼットを引っ掻き回して、とりあえず服を貸してくれた。



文字通り、「とりあえず」と言いながら。



わたしは、慣れない服をなんとか着こんで。


服に袖を通したことなんてなかったから、


どこから顔を出していいのか、どこに腕を通していいのかわからなくて、時間がかかった。



レンは落ち着きなく頭やオシリをかきながら、


窓の外を眺めたり、顔を背けたまま部屋中を歩き回ったりして、わたしが服を着るのを待っていた。