君の左のポケットで~Now&Forever~





「えええええ!!?」



叫ぶしかなかった。


なにこれ? 


どうして?



目覚ましで起きなかったレンの身体が、わたしの叫び声にぴくりと反応した。


ぼんやりと目を開くレンの瞳が、


わたしのお腹のあたりから順に、胸、首、唇、鼻をゆっくりと通って、眠そうな焦点がわたしの瞳で止まる。



何秒間だったろう。


わたしもレンも、見つめあう形になったまま、しばらくどちらも動かなかった。



ぼうっとしたままのレンは、しきりに手の甲で目をこすっている。


こすってもこすっても、目の前のモノが消えないことがわかると、


みるみるうちにレンの瞳孔が開いていった。