バイトの帰り、レンはコンビニに寄ってお弁当を買う。
レンはマメに料理をするほうだけど、バイトの帰りはさすがに疲れるみたい。
時々雑誌を買って、三回に一回、缶ビールを買う。
そして、缶ビールを買ったその日は、アパートに戻る前に必ず公園に行く。
帰り道にある、静かな住宅街に埋もれるようにしてひっそりと存在する小さな公園。
周りは木に囲まれていて、葉の隙間から家の灯りが少しだけ漏れてくる。
小さな砂場と青いブランコ、
すべり台と黄色のシーソーだけの遊具があるその公園で、
レンは、茶色いペンキが剥げかかったベンチにもたれるようにして座る。
深いため息を吐きながら。
今日は缶ビールを買った日。
黄色いバケツが転がる砂場の横に自転車を置いて、今日もレンはベンチに腰を下ろした。
肺の、もっと奥からこみ上げるような、そんな深いため息を吐きながら。

