君の左のポケットで~Now&Forever~

「…ナナちん、どこにいるのかな」


「…そだな」


「なあ、その白クマ、いつ見つかったん?」


「ああ…目が覚めたら、いた」


「ふーん……それだったっけ、お前が持ってたの」


「なんで?」


「スカーフの色、違う気がするんだよな、前と」


「…気のせいじゃねーの」


「そ?」


「そ、かも」


「なんだ、かもって。はー……会いてーな、ナナちんに」


「…そだな」


「お前、寂しくないの?」


「…なんだろな、そうでもない」


「強いな、お前」


「強くねーよ」


「なんで平気なわけ? ナナちんいねーのに」


「…いるような気がするんだよ」


「いる?」


「ああ、傍にいるような気がするんだよ」


「なんで?」


「オレも、よくわかんね」


「ふーん……って、」


「ん?」


「オレもそんな気がするんだよね、なんでかな」


「なんでかな」


「…また、ひょっこり現れるかもな、お前の部屋に」


「そうだな、そうなるといいな」