レンが大人になるにつれて、
わたしもだんだん、大人になっていった。
もちろん、わたしはただの白クマのキーホルダーだし、
身体が大きくなるわけじゃない。
レンが一年一年成長するごとに、
わたしの感情も、同じように膨らんでいった。
先生に怒られて、しゅんとしている姿や、
バレンタインデーのチョコにドキドキしている姿、
受験勉強にイライラしている姿や、
サッカーをしているときの楽しそうな姿。
レンのいろんな姿をひとつひとつ目にするたびに、
わたしは人間の感情を少しづつ理解するようになったんだ。
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