ゆっくりカーテンを引く。


白い枕を撫でて、ソファの背を撫でて、

灯りを消そうとしたときに、涙が流れた。



寂しさと切なさは、受け入れても尚、わたしの心を揺さぶった。

壁に手をかけたまま、わたしの頬にはいくつもの涙が滑り落ちた。



本当は、イヤだ。

このままで、レンの傍にいたい。

人としてレンの傍に。



崩れて泣いた。

両手で身体を包み、自分の存在を確かめて。

うずくまり、床に落ちる涙を見つめながら。



ただひたすら声を上げて、泣いて、泣いて、泣き続けて、

寂しさと苦しさと切なさを全部吐き出してしまいたかった。



この部屋で、ここでだけ、今だけ。

最後は笑って消えたかったから。





レン―――



わたしは震える身体を抱いて、空っぽの部屋で、



思い出が溢れるこの部屋で、



ひとりぼっちで、泣いたんだ―――