「でもさ、あれって実話をもとに作ったとか言ってたじゃない? ホントかな」


「実話? そんなのありえないよ、絶対」


「でもね、あたしお婆ちゃんに聞いたことあるよ」


「なにが?」


「すごく大事にされたモノとか、家に何十年もあるような古いモノとか、思い出の品とかって、だんだんココロを持っちゃうんだって」


「ココロ?」


「うん、魂って言うの? そんな感じの」



…………。


合ってるような、合ってないような。


でも、間違ってはいないかな…と思いながら、女の子がバックから取り出したチョコレートの箱を眺める。


ホント、女の子のそばにはいつでもお菓子が登場するんだな、と感心しながら。