君の左のポケットで~Now&Forever~

「ユウ君…」

「ん?」

「お願いだから…自分を責めないで」


一瞬、硬い表情をしたユウ君は、すぐに苦笑いの顔に戻って目を伏せた。


「レンがこんななの、オレのせいだし」

「違うよ」

「違くないよ。オレをかばったから、レンはこうなったんだ」

「だけど、ユウ君のせいじゃない」

「…そう思えたら…ラクだよ。でも、思えない。やっぱりオレのせいだ。
倒れたレンの姿が頭から離れねーんだよ。考えないようにしようとしても、無理なんだよ」


あの公園で見せたレンと同じ表情をしたユウ君は、

包帯の巻かれた手首をぎゅっとつかんで、唇をかみ締めた。


「ごめんな。ナナちゃんに言ってもどうしようもないのに。ナナちゃんのほうが、辛いだろうに。
レンとナナちゃんと…二人に酷いことしちまったんだよな、オレ」


「ユウ君、やめて」

「…ごめんな」


俯くユウ君の頬に、また涙が流れた。


いつまでこんなことが続くのだろう。