君の左のポケットで~Now&Forever~

窓の外に広がる夜。

雨は、いつのまにかまた降り出していた。



機械の微量な振動と、窓にぶつかる弱い雨音。

けれどそれは、耳鳴りのような鋭さで身体に入り込んでくる。



「レン…帰るね。明日、また来るね」



わたしは耳鳴りを払うように立ち上がり、足早にしんと静まる病院を出た。