「お母さん、このクマ、つけて」 「はいはい、無くしちゃダメよ」 早速肩にさげたポシェットを差し出したレンに、 お母さんは微笑み、わたしをそっとファスナーにぶらさげた。 レンがはしゃいでぴょんぴょんと跳ねるたび、 わたしの身体も大きく揺れる。 元気な子……レンは、そんな印象だった。