君の左のポケットで~Now&Forever~

太陽が高くなって、わたしの影も短くなって、

いつのまにか夕日に染められていたその部屋で、

わたしは、何もできずにただ座ったままだった。


こんなところに一人でいたくない。

レンのところに行こうとして立ち上がったけれど、身体はいうことをきかなかった。

そのまま床の上に倒れこむ。


痛さも何も感じなかった。

目を閉じると、レンの顔ばかりが浮かんでくる。



「ふ…ふぇ…」



涙が溢れ、床に押し付けた顔に広がっていく。



「レン…レン…」



呼んでも呼んでも返ってこない返事。



「ちゃんと待ってろよ」


レンの、言葉。

待ってたよ、レン。

待ってたのに。

今だって、こうして待ってるのに。


早く目を覚まして。

お願い。


床にうずくまって、わたしはいつまでも泣き続けた。

一人ぼっちの部屋で。

レンの微かな匂いに包まれて。


その匂いが薄れていくことを恐れながら――