君の左のポケットで~Now&Forever~

暗い病室のなかで、

わたしはユウ君の身体にしがみ付いて泣き叫んでいた。


レンが、行ってしまう。

わたしを残して、行ってしまう。


ユウ君を責めるつもりはなかった。

でも、誰に何をどう言えばいいのか、

どこに気持ちを持っていけばいいのか、わからなかった。


ユウ君の腕をつかんで、揺り動かして、わたしは泣き続けた。

それしかできなかった。


レンが居なくなったら…

わたしの傍から消えちゃったら…


不安と孤独は、いつまで経ってもわたしから離れてくれなかった。


ベッドに横たわったレンの前で、

わたしとユウ君は、

眩しい朝日が病室の中に広がるまで、

ずっとそうしているだけだった。