君の左のポケットで~Now&Forever~

3人が運ばれた病院。


男の子は幸い、膝と頬のかすり傷程度の怪我ですんだ。

ユウ君は、レンに突き飛ばされたときに出来た肘の青あざと、足首の軽い捻挫をしたけれど、身体に残るような大きな怪我はせずに済んだ。


レンだけが、意識がなかった。


手術室に運ばれ、数時間後にそこから出てきたレンは、けれど意識が戻ることはなかった。


病室に運ばれたレンは、身体中にチューブを繋がれ、そのまま、ずっと動かない。


その後、重い身体と気持ちを引きずるようにして、ユウ君はわたしのところに知らせに来たらしかった。




「オレのせいだ」


涙を流したままのユウ君は、俯いて拳を握り、肩を震わせている。


「……」


何か、言ってあげるべきだったんだろう。

でもわたしは、何も言えなかった。


ユウ君のせいじゃない。

頭ではわかっていた。


けれど、目の前で動かずに目を閉じたレンを見つめていると、

どうしようもない苛立ちと、

説明のつかない腹立たしさが込み上げてきた。