君の左のポケットで~Now&Forever~

「今、病院に…いるんだ」

「…病院?」

「…ごめん…ナナちゃん…」


赤い目の奥から再び涙が溢れ、ユウ君の頬を伝って流れ落ちる。

わたしは、じっとその顔を見つめた。

落ち着いていた。

けれど、指先から徐々に身体に感じる震えが起きていた。



落ち着いて…?

冷静に…?



そうじゃなかったのかもしれない。

受け入れたくなかったのかもしれない。


必ず戻ってくるはずのレンに、何かがあったなんてこと。



涙を流して震えるユウ君の姿を目の前にしても、

その口から伝えられることを信じたくなかったのかもしれない。


レンは戻ってくる。必ず。

何を言ってるんだろう。

何を泣いているんだろう。


バイトを終えて、「ただいま」と、いつもの笑顔で戻ってくるはずだ。

わたしは、「おかえり」と、迎えるんだから。