君の左のポケットで~Now&Forever~

「ユウ君…」


その姿があまりにも重過ぎて、わたしは何とか声をかけた。

だけど、その先を聞くのが怖かった。

こんなユウ君を見たことなんてない。

それに、さっきから襲ってくる嫌な予感が頭から離れなかった。


「ナナちゃん…」


搾り出すような声は、擦れてよく聞き取れない。

弱まったけれど、外は雨。

5月といっても、夜の雨は肌に触れると薄寒い。


わたしはとりあえずユウ君を中へ入れようと、扉を大きく開き直した。


「ユウ君、なかに入…」

「ナナちゃん…レンが…」


開いた扉を右手で支えたユウ君は、

わたしの言葉をさえぎるように言葉を発した後、

左手で顔を抑え、その場に崩れた。