君の左のポケットで~Now&Forever~

扉に近づき、静かに鍵を外した。

ゆっくり開いたドアの先に、俯いたユウ君が立っている。


僅かな間に日はすっかり沈み、

夜の黒に佇むユウ君の姿には、いつもの明るさも陽気さも…それどころか、何も含まれていなかった。


からっぽ…という表現が正しいのかもしれない。

ただ俯いたまま肩を落とし、

そこに立っていることでさえ、自分でも理解していないような、そんな虚脱感が伝わってくる。



ドアが開いたのは、ユウ君だって気づいているはずだ。

でも、顔をあげずそこに立ち尽くす姿に、わたしも言葉が出てこない。


押し黙ったままのわたしたちの間を、下を走るバイクの音が通り過ぎた。

その音を合図にしたかのようにユウ君は顔を上げ、

わたしと目が合うとまた俯いて、両のこぶしを握り締めた。